京都国立近代美術館へ「ウィリアム・モリス展」をみにいく。
「アーツ・アンド・クラフト」から始まり、グラスゴー派、ゼセッション、ドイツ工作連盟、日本の民芸へと向かう展示内容。 アーツ・アンド・クラフトがモダンデザインの先駆けといわれても、その理想としたのは中世的なギルドの世界であり職人技への賛美であり、同時期のゴシックリバイバルなんかと結びついていている表現に対して、モダンの新しさを感じることは出来ないのではないだろうか。ただ、そこからあまり違和感なくドイツ工作連盟まで変化していくことを考えると、根源としてのアーツ・アンド・クラフトが見えてくるような気がした。 しかし「アーツ・アンド・クラフト」がそれ以前と異なっていたのはまさにモリスの存在によってではないのかと言う気がしてきた。つまりデザイナーとしての存在がそのものと共に、もしくはそのもの以上に浮かび上がってくる事が、もっともモダンなものの現れ方なのではないかと思わされた。中性の職人はそれこそ無名の工匠であったはずである。 「アーツ・アンド・クラフト」では作品のレベルは職人のものとあまり距離を持たないが故に、その〈作家〉性がつよく現れてくる。 とはいえ、モダンデザインの黎明期を形作った想像力を伺い知ることのできる展覧会であったように思う。
by shinichi-log
| 2008-10-31 00:49
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