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コピーとオリジナル、あるいはコピーのオリジナル
コピーとオリジナルの問題を考えようと思っている。

通常世の中は、あるかぎられた建築家やデザイナーが作り出した「オリジナル」の「コピー」としての商品によって成り立っていると言っていい。一部の天才のクリエーションがコピーというプロセスを経て広く世界に流布されていく。これがおもしろいのは、このコピーがアナログのコピーでどんどん劣化していく(と思われている)。素晴らしい作品、アイデアでも、世の中に広まる頃には劣悪なコピーが出回り、結果悪しき根源としてオリジナルまでも非難されるようになる。

先月、我が家に泊まっていたスイス人のデザイナーCAPUTOの『COPY BY KUENG CAPUTO』という作品集では、そのコピーに対する興味深い考察が試みられている。そこでは、きちんとオリジナルの制作者に許可を得た上で、彼らが世界中で出会ったすばらしいオリジナリティーあるデザイン作品をコピーし擬似作品をオリジナルとあわせて提示している。そこではオリジナルのコピーによって与えられる創造的なインスピレーションについて、またオリジナルの重要な側面があらわにするのだという。「コピーのオリジナリティー」はどのようにしてインスピレーションが与えられたかをあきらかにするのだという。

そんな事を思いだしながら街を眺めていると、世の中のほとんどの建物は何らかのマスターピース(オリジナル)のコピーである事が見えて来る。それが全体でなくても部分的に取り込まれている事もしばしば。ここはコルビジェ、ここはミース、ここはテラー二、ここは・・・。そうやってそのコピーからオリジナルを思い起こすという事自体が一つの都市の見方を提示しているようにも思うし(ある教育的な側面も伴って)、都市への意識も変わるかもしれない。

でもほんとに考えたいのは、いかにオリジナルはコピーされるのか。結局世の中に影響のある建築とはよりおおくコピーされた建築だとも言える。だから、コピーのされ方を歴史的に探る事で、建築を通じたよりよりよい都市の作り方等が見えてくるかもしれない。そういえば、数年前に新建築住宅建築設計競技で「リセール・バリューのある家」というテーマの問題があったが、コピー回数が多い等のはリセールバリューのある建築ということができるのかもしれない。
by shinichi-log | 2009-12-11 00:42 | daily
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