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ロラ・アリアス「憂鬱とデモ」
KEX最終日に今回3本目となるロラ・アリアス「憂鬱とデモ」を観に行く。鬱病になってしまった作者の母親についての物語。設定がシンプルなだけに「演出」そのものの力がとても強い。ともすると単純な母親についての独白になりかねないものが、演劇になるというのはどういうことなんだろうか。演出とはどのような錬金術なんだろうか。演出によって内容そのものも変わるのか、変わらないのか。メッセージの全体を伝えようとする時にただ順序よく話すだけでは伝わらないように、様々な強調や変形によらなければ伝えきれないものがあるのだろうか。虚構と現実、演技と記録、此処と彼処、現在と過去がひとつの場所で生起しては消えていく。演劇の捉えがたい魅力はそこにある。
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by shinichi-log | 2013-10-28 02:05 | daily | Comments(0)
本義について
建築の本義は意匠か(つまり芸術か)、構造か(科学か)という議論に際しての後藤慶二の言葉。「構造を造るものは知識にして、建築を成すものは心なることを」後藤慶二(「形而下の構造に対する形而上の批判」より)

かっこよすぎる。
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by shinichi-log | 2013-10-28 01:49 | Comments(0)
愛知トリエンナーレ
気がつくと会期が終わりそうだった愛知トリエンナーレ。日帰りで観てきました。
L Packのやってるビジターセンターに行くのが一番の目的ではあったわけですが。たまり場感がやばかった。料理もやすいしうまい。
https://www.facebook.com/pages/NAKAYOSI-VISITOR-CENTER-AND-STAND-CAFE-%E3%83%93%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%A7/1399486116930487

展示に関していうと、個人的には下道さんのと、青野文昭さんの作品がよかった。
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by shinichi-log | 2013-10-21 10:36 | daily | Comments(0)
大見復旧作業
9月の台風で被害を受けた大見へ。道路などは思った程ではなかったけれど、川は形が変わってしまう程の被害を受けていました。小屋とトイレがどうもなかったのが奇跡的。
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作業は、川の増水でながされた畑の土を、別の箇所からひたすらスコップで掬って一輪車で運ぶの繰り返し。それでもたくさんで身体を動かすのは思いのほか楽しい。ただ翌日筋肉痛で死にました。

また行きます。
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by shinichi-log | 2013-10-14 22:24 | Comments(0)
瀬戸内(芸術祭)島巡り
瀬戸内芸術祭に行ってきました(10/11-12)。
初日は今年から加わった西の5島のうち高見島と粟島、そして琴平へ。2日目は豊島と犬島(維新派公演)でした。

高見島は映画のロケ地にもなった急勾配の斜面につくられた集落が美しい村。
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ここ10年くらいで壊される家が増えているらしい。たしかに空家ばかりが目立った。斜面に建つ家からは瀬戸内の美しい風景が見渡せはず。

粟島では、大正9年に作られた海洋学校校舎を見学。廊下と2階の講堂がすばらしい。保存状態もよく今も卒業生のおじいちゃん達がボランティアで関わっておられた。高見島とはまた異なるおだやかな風景
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豊島美術館は文句無しにすばらしかった。特に中に入った瞬間の空間の広がりにとても感動。
犬島ではhyslomがゲスト参加している維新派公演をみて、恒例の屋台でほっこり。
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by shinichi-log | 2013-10-13 10:24 | Comments(0)
アジア建築新人戦
取材をかねてアジア建築新人戦を観戦(でいいのかな?)。2回目となる今回は10の国から23人が参加。言語も衣装も異なるアジアの学生達が交流を深めつつ、お互いの提案内容を競うというもの。審査員も日本、中国、韓国、ベトナム、インドなどで教鞭をとる先生方がつとめている。

国によってなんとなくの特徴はあるものの、全体としてはコンテクスチャリズム/フォルマリズムで2分することが出来、その軸の中で多様性とサステナビリティをどう実現していくのかということが目指されていたように思われる。その中で中国はうまく両軸を横断しながら提案を行なっていたし、それが結果的に説得力に繋がっていった。一方日本はというと慢性的な問題意識の欠如が感じられ、日本独自のコンテクストを共有していないアジアの審査員にむけての説得力が足りなかったように感じられた。

土俵が変わればもちろん戦い方も変わってくる。
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by shinichi-log | 2013-10-07 10:00 | daily | Comments(0)
高嶺さんの市役所前パフォーマンス
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10/5はニュイブランシェKyotoの一貫で、市役所庁舎にむかって高嶺さんのプロジェクション(マッピングなどというしゃれたものではなく)、で踊ってきた。パブリックな企画でありながら、市役所前の広場をダンス会場に替えてしまう大胆不敵なパフォーマンス。実際1/3くらいの人が踊っていた。

まさにデイビッドグレーバーなどがいう予知的政治の実践例、そして組織化されていないフラッシュモブというべき出来事だったのではないだろうか。
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by shinichi-log | 2013-10-06 10:10 | Comments(0)
マルセロ・エヴェリン「突然どこもかしこも黒山の人だかりとなる」
KEX2演目。芸術センターで行なわれたマルセロ・エヴェリン「突然どこもかしこも黒山の人だかりとなる」をみてきました。あやうく当日券が販売されないかもという人気ぶり。

さて、パフォーマンスの行なわれるセンターの講堂に入ると、腰の高さくらいにせっちされた正方形の枠が設置されている。そして「入ってもいいし」、「入らなくてもいい」ということが告げられる。観客は、ここにパフォーマンスを「観る」ために来ている訳で、より良く観ようとその中へと入っていく。舞台を見に来ている以上、観たくないと思っている人は基本的に存在しない。しかし一方で、いやむしろ「観る」ために、われわれ観客は自分が出来事の中へと巻き込まれることを恐怖する。安全な鑑賞者の位置から、出来事の中心へと、観られる対象へと変化してしまうことを恐れる。

その恐れは、実はこのパフォーマンスの初めからおこってしまっている。その枠の中を黒塗りのダンサーが絡まりながら移動し続けているのだが、開始直後から枠の中にいる人々の中におかまい無しに突っ込んでいく。そうして否応無しに観客は逃げようとするのだが、しかし一方でその恐怖の対象であるダンサー達こそが「観る」目的であるので、また近づいていく。近づかないと見えないし、近づくとよけないといけない。基本的にパフォーマンスの内容はその繰り返しである。そこには「観たい」という欲望と、「避けよう」とする恐れが生み出す場。

5人のダンサーは、あるプログラムを与えられた運動体のようなものではなかっただろうか?おそらく、お互いに離れずにひたすら内へ内へと向かうという行為だけをひたすら行なう。意思や表現などとはほど遠い、純粋な行為=運動=エネルギー。

それはダンサーの身体が漆黒の闇のように真っ黒だったこととも関係している。いうなれば彼らの存在はみえないものとしてある。パフォーマンスで重視される「身体」はなく、その行為が生み出すエネルギーだけが示される。事実その移動する中心から距離をとって眺めてみると、なにか中心にぽっかりと穴があいてしまったような、その空っぽの中心のまわりをひとがぐるぐる取り囲んでいるようにみえる。「黒山の人だかり」の中をまるで台風の目のように、空洞が移動している。もっともエネルギーが高いがゆえに、何も存在しない中心。そして蛍光灯が光を鈍く反射させスパークが発生する。

その時に少し引いて、もしくは枠の外にでることで実際に目にすることができるのは、その変容する磁場に反応して変化する観客のうごめき。そのうごめきは、個体差を持ちつつも、2つのパラメータのもと、つまり「欲望」と「恐れ」によって決定されている。

途中、ふいに5人のダンサーが分裂し、静かに場を徘徊しはじめる。エネルギーの中心が解体し、小さな極が複数出来ると、観客の動きは極端に少なくなる。みな周りを伺いながら大きく動くことをせず、状況を伺いながらそろりそろりと動いていく。非常にエネルギーの不活性な状況。

ようは、観客とダンサーという区別も、その反転も、観る観られるという演劇の根源的な関係性さえも破壊されて、パフォーマンスさせられているのは単純な心理的原理を抱き、右往左往する観客そのものであり、その結果ただ「場」そのものがいかに経ち現れるのかということ実験が、まさにこの枠の中がひとつの試験管として実施されている。

ふと、現代人の多くが普段おこなっている「遠巻きに観ている」というこの行為が、実は具体的な場の形をつくり出しているそのものであるということを感じずにはいられない。
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by shinichi-log | 2013-10-02 01:05 | review | Comments(0)



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by shinichi-log
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