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忘年会を忘れないためのメモ
今年もいろいろと忘年会に参加したので、忘年会を忘れないためのメモ。

RADではしっかりと忘れるための忘年プレゼンテーション。建築家から編集者、不動産、行政、お茶、などそれなりに幅広い活動範囲の方々に参加していただき、相互に情報交換や交流を深める。

先日は渋谷のレンタルルームで若手建築家集まっての忘年批評会というまじめな事もやってみつつの忘年会。全員はさすがに無理なので、9人にこの一年間の活動を紹介してもらいつつ、突っ込むというかたち。

9人で3セッションということで初めは、今年URの改修コンペで勝った藤田さん、cobaというシェアオフィスを複数の業態の人たちと運営している山道さん、浜松で設計事務所をしている403の橋本君。共通するのは人の関与の仕方や、空間の運営のされかたと空間の形の連動をどのように実現していくのかということが重視されているようにみえた。来年は藤田君のURの改修がどのような結果になるのか非常に楽しみである。

第2セッションは、伊東建築塾の運営を行なっている菊川さん、都市提案を行なって行くあおけんさん、h&deMで今年サーペンタインの担当として活躍した小室さん。なんともバラバラな組み合わせで共通の話題を見いだすのは難しいものが会ったが、建築が生み出される仕組みについて、サーペンタインはほぼ協賛で作られていることや、菊川さんのかかわるNPOの運営方法などの話しはとても興味深かった。

自己紹介をはさみつつ最後は松島さん、増田さん、榊原(RAD)という組み合わせ。松島さんと増田さんは今回の話し手の中でも、オーソドックスに建築に向き合っているという印象なのだが、松島さんが形のフェティッシュによって生み出される愛着についての話しだったのにたいし、増田君が慣習的な話しをしていて、とはいえ異なる2つのアプローチが空間と使う人の関係性について問題だったように思う。

今回は参加者が、不動産やリノベーション、土木や教育関係だったりと建築を基盤にしつつも異なるプロフェッションの人が集まっていたため、途中から「言葉」の使い方についての話しがしばしクローズアップされた感があった。

さて、2次会は近くの居酒屋で、メンバーの多少の入れ替えがありつつ。中川さんや岡部君なども合流し、一次会での思いを各自思い起こしつつ話しを進めていった。3次会はなぜか藤村事務所になだれ込み、朝5時まで緊張感ある楽しい飲み会。いきなり関西ディスから入られたのでどうしたものかというところだったが、そういう見方が関東からはされるのかと面白かった。ついつい都市の話しになってしまい建築の話題にならないというのが全体を通じてのトーンだったように思うが。ミース、ベンチューリ→そしてなぜか最後はゲーリー2.0ということになっていたが、そもそもゲーリーテクノロジー以降のゲーリーは既に2.0なんではないか。ちょうど南洋堂でゲーリーの古本も仕入れたところだったので年始は少しゲーリーについて考えてみたい。

で、京都に戻り大学のOB会。初ポムあじとでの絶品鴨鍋。で今年のしめくくり。
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by shinichi-log | 2012-12-31 12:34 | daily | Comments(0)
復讐するな
「復讐するな」という一説が聖書の中にある。悪をおこなわれても悪で返すなということだ。こういうことは倫理的にわかるが中々納得いくものではない。そこで続く一説では、復讐やその報いを行なうのは神なのだから、自分で復讐するまでもない。悪に対してはきちんと神自らがその者に復讐してくれる。むしろ復讐という悪を自分がおこなって神からの報いを受ける事は避けるべきで、むしろ良き事を行なう事で良き報いをえるほうがいいだろうという話し。こう素直に考える事ができるようになると、人生ずいぶん楽になるに違いない。

関連ではないけれど、同じく聖書ネタでいくと、松島さんに「悪についてのノート」という記事がすごく面白かった。http://aar.art-it.asia/u/matsushimaJP/GrbmWLFostuYCh12qcwX?art-it-aar=44be1dda68c4af3781ff3f09e94b752f
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by shinichi-log | 2012-12-30 13:51 | daily | Comments(0)
現代の抽象性と建築/美術における作品性についてのメモ
12/14の「アブストラと12人の芸術家」という展覧会の関連企画のトークイベントに呼んでもらった時に考えた事や感想についてめちゃくちゃ乱文ですが忘れないうちに書いておきました。ちなみにこの展覧会の会場構成を担当した建築家の高濱さんとアーティストの金氏さんにインタビューした記事はこちらに公開しています。
http://www.dezain.net/2012/22849

1、抽象とは何か?
まずは辞書的な意味を拾っていくと「抽象(abstract)=特徴的な要素に変換」するという事になっている。
一方でアブストラと似た言葉としての「概念(concept)=ものの意味を変えずに言語に置換」ということらしい。
また抽象という事の対概念としては、具象(representation)や具体(concreat)が考えられる。

抽象という言葉は、1908年にヴォーリンガーが「抽象と感情移入」を著し芸術的よくの一つとして抽象衝動を提示し、つづいて1912年にカンディンスキーが「芸術に置ける精神的なもの」で内的必然性へと向かう力としての抽象について述べている。こうして近代において抽象が際立ったトッピックになった背景には、一つは主に西洋において古典からつづく自然をいかに表象=representateするかという問題からの開放という側面を、抽象ということが担ったということもできる。さらに、批評家のグリーンバーグは、抽象は、物語的かつ再現的な「内容」と対置されるとし、絵画の二次元的な平面性においてのみ成立するような視覚的イリュージョンの抽象性を強調していた。こうして抽象表現主義に始まる

建築において抽象的という事は、往々にして建築が現実感のない素材感を消した図形のようであることを意味する。たとえば美術館のホワイトキューブのように真っ白な空間。さらにいえば、白い箱というだけでなく、リートフェルトの住宅や、コルビジェの住宅などのように、実際は石や木やコンクリートやレンガでできているにもかかわらず、建築の各部位が幾何学的なエレメントに変換されているものを指す。たとえばミースにとって明快な構造とは、ものの成り立ちが明示的であるということであり、それは建築の抽象性において非常に重要とされていた。
また、光がその表現の中に印象的に取り込まれている場合もそこに抽象性が見いだされる事がある。この場合は光の効果によって素材が非物質的な状態、現象的なものへと変化している様が抽象性を演出している。

2、ミニマリズムにおける抽象性
建築における抽象性について考える前に、建築とアートの違いと問いに最も示唆的な一連のミニマルアートついて考えてみる。ミニマルアートは「先行する抽象表現主義を批判的に継承しつつ、抽象美術の純粋性を徹底的に突き詰めた」といわれており、純粋な幾何学形態を用い、具象的な意味を徹底して排した作品が特徴的である。抽象表現が個人の内面の表出を非具象的に描くのにたいし、ミニマルアートにおいてはその内面の表出すら排除の対象とされている。こうして作られる超-抽象という作品は、しかしながら作者の内面にではなく、それを観るものとの間に意味を作り出していく。つまり作品の自律性が消滅し、作品と観者をふくみこんだ状況全体がつくりだされることになる。このことをマイケル・フリードは客体性とよんだが、この客体性こそ、建築の作品性との接続を考える上で重要になってくる。もっともミニマルアートがこの後インスタレーションへと展開し、現在におけるアートの主流な形式となっており、建築家も美術館などで積極的にインスタレーションを採用しているということへの考察も必要になってくるようにおもわれる。もう一方で、ミニマルアートと同時代的に展開したランドアートにおける作品のありかたも、それがサイトスペシフィックである点において建築への接続も考えられる。だがこちらは単にサイトスペシフィックかどうかではなく、そのサイトスペシフィックがどのように美術館の中で作品として存在しえたかを考える方がより有意義な議論が可能になってくるように思われる、が別の機会に。さらにいうと、建築とミニマルアートの接点は、ロシア構成主義の作品の中にすでに組み込まれていたと考える事もできるが、これもここでは省略する。
ともかく、ミニマルアートにおいては抽象性をつきつめることで、結果観者をも含み込んだ関係性の中で作品というものが成立するようになる。そしてこの観者を含み込んだ経験ということはそのまま建築における重要な議論を内包しているのではないだろうか?


3、建築における現代の抽象性
現代において、様々な発見や進歩によって、自然の振る舞いすらも解析可能になり、その成り立ちが明示的に示されるようになってきた。近代においてはそうした雑多で複雑なものを幾何学という要素に還元する事でその成り立ちを示す事が試みられていたのだとすれば、現代においてはそうした幾何学に還元するのとは異なったもう少し自然を自然のままに描くような抽象性が求められているのかもしれない。それは物理的特性ではなく、現象的特性についての再現とみることもできるかもしれないが、どちらにしろ抽象ということの意味が単に要素が少ないということではなく、雑多なものを雑多なまま変換するということによって生まれてくるのかもしれない。
また一方で、近代の機能主義を乗り越えて行かなければならない私たちは、建築の自律性ではなく、ミニマルアートにおいて示されていたような客体性をどのように建築が体現するかを考えてもみたい。そうした試みはすでに00年代において盛んに行なわれていた。その先方は青木淳であり、SANAAであり、さかのぼれば篠原一男の代々木上原の住宅などの作品へと繋がっていく。現代における抽象性とは逆説的ではあるが、そうした時々に生じる状況全体のことを意味すると考えられないか。そしてなにか自律性を建築はもとめるのではなく、そうした客体的な特性にこそ建築の作品性を見いだすべきだと思う。
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by shinichi-log | 2012-12-24 17:16 | Comments(0)
古びない理念
京都信用金庫が60年代から掲げている理念の一つにコミュニティバンクという考えがある。これは信金が単なるお金のやり取りをするだけでなく、各店舗が地域に開かれ、地域を支える金融を目指した画期的な取り組みだった。そしてこの取り組みに関わっていたのが川添登が参加する民間シンクタンクCDIであり、その構想の実現のために各店舗の設計にあたったのが菊竹清訓だった。

今日、夏にRADにインターンにきていた本間さんが論文のため調査するという事でそのヒアリングに同行した。京信の専務理事でコミュニティバンクを提唱した前会長の息子さんでもある方に話しを伺い、すでに40年程経過するコミュニティバンクの考え方の新規さをあらためて感じさせられた。移動式支店や、ドライブスルーの窓口(しかも左ハンドル用)、各店舗に市民活動のための場を設けるなど、今こそ必要と思われる事がすでに行なわれている。また、そうした当時の店舗のあり方と、現代の新しい店舗の比較から、高度経済成長の時代が求めたコミュニティの作られ方と、現在の高齢化と人口減少の時代のそれが非常に大きく変化していることも実感させられた。けれども理念は変わる事無く受け継がれている。

現在菊竹さんによる店舗は老朽化と、設備の現代化にともない更新の時期を迎えているとの事だが、その建替えの大きな原因に都市計画上の影響、つまり道路の拡幅や駅前の区画整理などによって取り壊しが余儀なくされるということが例といて非常に多いというお話が非常に興味深かった。また、驚くべき事に建設当時は5年で更新される事が目指されていた店舗の耐用年数はそろそろ限界のようだ。とはいえ、ここで考えるべきは、何が更新されてされなかったか、そして建築の冗長性の担保がどのように働いていたのかを見ていく事ではないだろうか。


そのヒアリングに参加後、恩師の古山先生のところに進路相談。結局90分も話しをさせていただき、いろいろとクリアに。最近の活動の紹介などもお伝えする事ができ、ご意見も頂戴することができた。
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by shinichi-log | 2012-12-04 01:04 | daily | Comments(0)
生成する情報とともにあること
来年1月に浜松でResearch Storeを実施する。今年の5月に福岡で実施したものの展開バージョンである。
詳細は後日公開するが、大まかに言うと一ヶ月間浜松に滞在し、Research Storeという場をスタジオとして運営しながら、全体像を捉える事が不可能になった現代の都市の見取り図を描き出そうというのが企画の趣旨になる。そこで実際のスペースを一ヶ月運営する事になるのだが、これは単にプロジェクトの盛り上げというのではなく、RADにリサーチがパフォーマティブなものであることを目指しているということに関係している。つまりリサーチそのものを通じて何かしらの新しい関係性を生み出したり、ポジティブな変化を生み出したいと願っているからだ。また、それ以上に重要なのは、地元の人との交流、交換の中でしかえられない情報にどう関わっていけるかだ。そうした生の、そして発展していく途上の情報にアクセスする、そのためのプログラムを今考えはじめている。
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by shinichi-log | 2012-12-03 01:14 | daily | Comments(0)
人々の生活へとコミットするための伝統工芸
伝統産業の活性化をめざし、国際的視野とマーケティング力を兼ね備えた伝統産業の未来を担う若手職人の育成を目的とした取り組みが、京都府と京都リサーチパークによって進められている。「京都職人工房」と名付けられたこのプログラムは、受け継いできた伝統の技だけでなく、今後社会の中で生き残っていくための「知恵」を身につけることを重視したものだ。今回、このプログラムの一環として特別セミナーのコーディネートを行うことになり、ゲストに大学の先輩でもある建築家の乾陽亮さんを招き「伝統工芸に生活をパッケージする」というタイトルでお話をしていただいた。

そもそも建築家である乾さんが伝統工芸の世界と関わるようになったのは、地元堺の森本刃物製作所の仕事をwebで紹介する仕事に関わられたことがきっかけだった。もともとweb制作の仕事をされていたので、その後「凄腕職人街」という各伝統工芸の分野のなかでもトップクラスの職人方が行なわれている展示会のwebsiteをつくられたり、森本刃物製作所からの依頼でペーパーナイフの企画に関わられるなど、ここ数年深く伝統工芸の世界にコミットされてきた。また、日本の伝統的な技法である折型を現代の標準的な規格であるA4サイズで展開しインターネット上で配布するといった活動も独自に行われているなど、伝統工芸をどう現代の生活の中にアップデートするかといった視点で活動に取り組まれている。

熟練した職人の技にたいするリスペクととは裏腹に、伝統工芸そのものにたいしては非常にドライな考え方をもっておられ「手作り=いいもの」「伝統工芸=いいもの」といった考えはまず捨ててないといけないという話が全体のトーンになっていたようにおもう。その上で、なぜそれが消費者にとっていいのかをちゃんと考え、伝えていく事をしないと先は無いよと伝えられていた。これはどのような業界でも同じだと思うが、顧客のいないコミュニティ内での技の競い合いは「作れるから作った」が横行する。そうすると端から見るとなぜそれがすごいのかがよくわからない作品が出来上がり、結果売れのこっていく。だからここで重要なのはいかにそれを使う人の生活にコミットできるのかを考える事になるという事であった。

私自身知らなかったので驚いたのは、熟練した職人が作る事で、駆け出しの職人によるよりも安価に製品を提供できるという事実だった。イメージ的にはその逆のように思えるが、実際は最終の品質は一定してるので、ある時間でどれだけの数を作れるかが値段を決める要素になってくる。なのでより素早く均質な製品を作り出すことできる職人が取り組む事で最終製品の価格を下げる事ができる。美術工芸とは異なり、いかに単価をさげ普及させていくのかという「産業」として伝統工芸は考えないといけないので、そうした価格設定になるらしい。ようは「伝統工芸=機械化に失敗した産業」なのだ。昔は手作りだったものも機械化できたものは機械化され、より安価で私たちの生活に提供されるようになったが、現在まで伝統工芸として残っているものは、手でしか製造できない品質を作り出す技術ということができる。その手でしか製造できないという事がどう生活に貢献していくのかという観点から製品を生み出していかなければならない。言いかえると、どのような生活を提供するかを製品に持ち込む事がより重要になっている。

最後に、乾さんが伝統工芸に関わられた凄腕職人街のwebsiteは、関係する職人さんへの取材、インタビューを含む非常に丁寧な仕事となっている。そして注目に値するのがそれがすべてボランティアで行われているということだ。また、先に書いた折型も誰かに依頼される事無く始められていたのが、のちに製品化される事になるなど、まずは仕事としてではなくプロジェクト化する事が、周囲との関係性の構築を促進させ、後の展開につながっている。こうしていったん自らをヴァルネラブルな状態にすることの重要性を改めて気づかされた会でもあった。
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by shinichi-log | 2012-12-03 00:54 | daily | Comments(0)



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