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アジア建築新人戦
取材をかねてアジア建築新人戦を観戦(でいいのかな?)。2回目となる今回は10の国から23人が参加。言語も衣装も異なるアジアの学生達が交流を深めつつ、お互いの提案内容を競うというもの。審査員も日本、中国、韓国、ベトナム、インドなどで教鞭をとる先生方がつとめている。

国によってなんとなくの特徴はあるものの、全体としてはコンテクスチャリズム/フォルマリズムで2分することが出来、その軸の中で多様性とサステナビリティをどう実現していくのかということが目指されていたように思われる。その中で中国はうまく両軸を横断しながら提案を行なっていたし、それが結果的に説得力に繋がっていった。一方日本はというと慢性的な問題意識の欠如が感じられ、日本独自のコンテクストを共有していないアジアの審査員にむけての説得力が足りなかったように感じられた。

土俵が変わればもちろん戦い方も変わってくる。
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by shinichi-log | 2013-10-07 10:00 | daily | Comments(0)
TNAオープンハウス - 新築的なリノベーション
日曜は午後からTNA設計の工場のリノベーションのオープンハウスのため倉敷へ。
もともとは周囲にたつ工場と同じような外観だったとのことだが、ステンレスとポリカにつつまれた外装からは、リノベーションというよりも新築のような印象をうける。

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通常リノベーションといえば既存部分とのある種のコントラストによってデザインを成立させることが多い。もしくは手の後がそのままデザインになるようなものもある。たとえば長坂常さんのリノベーションはこの類いの方法論を意識的かつ発明的に用いている。

一方TNAのリノベーションは、既存部と改変部の見分けが一見するとつきにくい。両者のコントラストによってではなく、まったく新しい構成のなかに建築が建ち現れている。これはつまりリノベーションが新築と同じ作法で作られている、ということかもしれない。新築と同じということはどういうことかというと、敷地があってそのコンテクストや状況をひとつひとつ丁寧に拾いながら構築されていく一つの体系だということだ。個人的に素晴らしい住宅である程、その体系は一つの織物のようであると感じている。つまり構成にヒエラルキーがないというか、すべての要素が必然性を持って同時に決まっているような感覚を与えてくれる。新築とはそうした一つの織物であるが、リノベーションは端的に言えばパッチワーク的、コラージュ的で衝突や異化作用が強い質をつくり出す。しかしながらTNAの場合リノベーションでありながら、コントラストによる空間の質ではなく、新築的な織物としての質をつくり出している。

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TNAはよく凝縮させるというような説明の仕方をされる。それは具体的な条件や与件にたいしてヒエラルキーをつけて整理していくのではなく、むしろそれらを思考の渦の中に一緒くたに放り込み、高速回転させることで、そうした複数の具体的な物事が未分化な状態のまま統合されてしまっているような建築をさしている(と理解している)。それを、倉方さんは連立方程式のようだと言われていたが、なるほど確かに複数の問いがすべて並列に並んでいて、同時に解けていく感じがそこにはある。

今回リノベーションされた工場もまさにそのような状況が生み出されていた。ここでもまた一つ一つ丁寧に条件や使われ方、空間の質感などが丁寧に読み込まれ、非常にクラシカルな表現の中に複雑な全体性が生み出されている。それもリノベーションでありながら構造的な構成と意匠的な構成が並列的に存在しているからに違いない。説明を聞くに構造的にかなりアクロバティックなことが行なわれているのだが、力を直接的に表現せずに全体の中に統合されている満田さんの仕事にも敬服させられる。

昨年竣工した資料館も、何度みてもどこにどのような手が加えられているのか判然としない。もともと2階の床には穴があいていたらしいが、その穴に新しくつくられた屋根をささえる柱が貫通しているので、後から開けられたもののように感じなくもないし、そう思っていると今度は屋根が最初にあってその後に壁や床が作られたんじゃないかという錯覚が生まれてくる。個人的に一番のなぞは柱の間につくられたコンクリートの壁。なぜそうなったのかそれだけでは理解できない、でも全体としては収まっている不思議な存在感だと感じた。

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ちなみに倉敷は初めてだったわけだが、美観地区という身も蓋もないネーミングに近代的枠組みを感じ、いかがなものかといぶかしんでしまったが、実際は阿智神社のある小山を中心にかなり面的に保存が利いていて、運河沿いの情緒も観光地のそれとしてすばらしく、また有名なナマコ壁の美しいテクスチャーを堪能し、数時間だけであったが有意義な滞在だった。
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by shinichi-log | 2013-08-01 04:04 | daily | Comments(2)
抽象的に話すことのこと
同志社大学で行なわれた田中功起さんと蔵屋美香さんによるベネチアビエンアーレの報告展。田中さんは青木淳さんの作品集に文章を書いていたり、また青木さんも田中さんのカタログに文章をよせているなど、00年以降のの建築の、特に他者性をめぐる、もしくはルールのオーバードライブ論と非常に親和性の高い作品を作っている人だなと個人的に思ってきた。正直今回のベネチアの「抽象的に話すこと」や、MOT ANNUALの作品など、蔵屋さんが述べていたように人と人の関係に焦点を当てた作品についてはよくしっていなかったが、それらも個人的な興味の対象と非常にシンクロする思考の流れを感じる事が出来て(たぶんに思い込みかもしれないが)大変有意義な時間だった。

実は今回の展示は昨年の建築ビエンナーレの展示をリサイクルして作られているらしい。そしてそこに明確に震災に向かう表現者としての距離感の違いが現れていたように感じたからだった。田中さんができるだけ遠まわりすることを選んだと語っているように、震災への直接的な言及は少ない。一方、伊東さんが若手建築家とともに行なった展示では、どれだけ当事者へと近づけるかが問題とされていたように思われる。しかしながらそこで示されていたのは、いうなれば若手建築家による協同的なコレクティブな行為であって、被災地の人々のそれではなかったのではないか。がゆえに、新しい建築へのアプローチが明確に示されていたが故の受賞だった。住民へのアプローチではなく、建築へのそれとして。そうした距離感が、昨年の展示に上書きされるカタチで今年の展示が行なわれた事でむしろ強調されていたようにも思われる。

田中さんは、具体的な事があつまって、見通しが曖昧になっている状態をそのまま表現として提示できないか、ということを抽象として考えたいと話されていたが、それは具体性と抽象性という二項対立的な図式を越えて、両者が「なめらかに」つながっている中で形成される状態を提示したいという事だったんじゃないかと思う。つまり関係性そのものを複雑なまま表現するにはどうすればいいのかという問題へとつながるような。そのために、単純な状況の設定、特に根拠がなく、全員が等しくルールに則るということは、ちょうどハイエクが、理性的な秩序でも、自然の秩序でもない、人々の振る舞いの結果として結果的に生まれてくる秩序を自生的秩序呼んでいるが、その形成のためには、非人称的でであるがゆえに平等なルールの設定(ルールの結果を消して知っていては行けないような)が重要であるというような話しをしている。

田中さんが所属するギャラリーの隣に事務所を構えている建築家の長坂常さんのつくり出す空間のありかたも「非人称的な行為」にあるのではないかと考えられる。つまり長坂さんの表現というのは、何かのイメージの付与や、テクスチャーを与える事ではなくて、ある素材、空間にたいして行なった行為そのものによっていると考えられる、と思っているのでこの繋がりは非常に興味深いなと思う。青木→中山英之ではなく青木→長坂常という読み方もできてくる。
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by shinichi-log | 2013-07-29 17:25 | daily | Comments(0)
展覧会忘備録
東京都現代美術館でフランシス・アリス展の第2期と、収蔵品展2つをみる。フランシス・アリスはまさに寓意の力によって矛盾にみちた世界を再創造する。アートの素晴らしさをストレートに伝えてくれる。最初に展示してある消えかかった中央分離帯を塗り直す映像作品と、子どもの遊びを記録した映像作品も見逃せない。一方2部に分かれた収蔵品展でも最初に出会う神原秦の「マリアとキリスト」と最後の牧野虎雄の「少女」に非常に心ひかれた。前者は大正期とは思えないような抽象と具象のぎりぎりの境界で表現を成立させている作品で、後者は写実的な表現のなかに黒人(?)の少女の絶妙な表情が印象的。展示も全体的に見応えがあり、会田誠の作品があると思えば、チンポムのアイムボカンのインパクトにやられ、デマンドやホンマタカシの写真などもみることができる。個人的には最後の部屋の自画像がぎっしりと展示されている部屋がとてもよかった。

一方近代美術館は小企画の「都市の無意識」展を目当てに行ったのだが、企画展の「プレイバック・アーティスト・トーク」もよかった。前者は都市を幾重にもおりかさなった層としてとらえ、それらを地下やスカイライン、イメージの重なりとして抽出している。地層というのがそれまでの循環する時間性にたいして、不可逆的な一方向にながれる時間というものの存在を明らかにしたという趣旨のテキストや、スカイラインが輪郭を失った都市に置いて唯一境界ともいえるといった分析やとてもおもしろかった。またこれまでの美術館でおこなわれた作家のトーク映像と作品を同時に展示する企画展は、児玉靖枝や丸山直文など個人的に好きな作家も多く、また全体的に見ても秀作の多い展示でおもしろかった。また作家の解説と一緒にみれることで理解も深まり、新たな発見も生まれる。こうした記録映像はたいていそのまま眠っている事が多いので、メディア環境の変化にあわせてどんどん公開していくと、普及という点でも効果があるのではないだろうかと思わさせられる。こちらも展示の最後に飾ってあった岡村桂三郎さんの「黄象」という作品が非常にすばらしく、思わず見入ってしまった。大胆な構図と独特の質感。そして象のなんとも神秘的で穏やかな表情。よいものを見せてもらった感じがした。
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by shinichi-log | 2013-07-15 04:16 | daily | Comments(0)
サラリーマンの格好
KA2013に協賛していただくための某社への何度目かのプレゼン。とうとう今日は社長プレゼン。久しぶりにスーツに身を包み朝から大阪でした。その後、紫野へ。少し時間があいたのでMAKIでコーヒーコールを注文、営業巡りの休憩中のサラリーマンを演じ、次回大見のワークショップの打ち合わせのためAtelier Michauxへ。先日漆喰壁を塗られたそうでどんどん素敵な空間に変化しているのを感じながら。で、7/28の大見新村は講師に鞍田愛希子さんを迎え、ハーブの収穫とお話、それに休耕地に様々な種を使ったワークショップを実施。ジビエとハーブと有機野菜の昼食つき。乞うご期待。
夜は、火曜日恒例の授業準備でした。造形大で4月から受け持っている「ソーシャルデザイン論」もすでに第11回。まずが学生が自律的に物事を考え、社会に向かい合っていけるようにと、いろいろと四苦八苦しながら続けてきたが、そろそろまとめにかかる時期か。とりあえず80分話しをするのにはだいぶ慣れてきたし、先週からはホワイトボードを使うことも覚えたので、次は質問をだしていく技術をみにつけねば。。。
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by shinichi-log | 2013-07-03 20:46 | daily | Comments(0)
コアなのかハブなのか
普段お世話になっている原さんや山本さんが頑張っておられるコアネットワークというものの立ち上げの会に呼んでいただいたので行ってきました。ディスカッションというコーナーで、VoiceGalleryの松尾さんと狂言師の茂山さんとご一緒させていただいて、コアネットワークの未来について妄想するという内容。個人的には、Voiceの松尾さんとこうして同席させてもらう事になろうとは夢にも思っていなかったし、同い年の狂言師さんと知り合いになれるなど、貴重な機会だったなと。ただ事業自体は、ソフトなハコをつくったから後はみんなでなんとかしてね、という感じでこれからどうなるのか先の見えない感じは否めない。

とはいえ、これは大きく行政側の思惑からは外れるかもしれないけれど、きちんと京都の文化行政を監視する、もしくは提言していくような団体になるとかはいいかもしれない。これだけ各ジャンルの専門家が集まっているのだから。新しい文化をつくろうとする面々がどう実行力と影響力を生み出し、現実を変えていけるのか。さてさて、、、
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by shinichi-log | 2013-07-01 21:14 | daily | Comments(0)
3人のクライアントと3人の建築家
週末は昨年から関わっていた展覧会「3人のクライアントと3人の建築家」のオープニング。SHIBAURAHOUSEでの設営のため早朝の新幹線で東京へ。今回は、昨年発売された書籍「How to Make aJapanese House」のスピンオフ企画のような位置づけの展示会で、途中会場が変更するなどなどの紆余曲折を経てようやくこぎつけた開催だった。私は本の著者で企画者のカテライネさんを日本でサポートするということで展示までの実際的な運営のたずさわってきた。

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タイトルにもあるように本展の特徴は「クライアント」に焦点を当てている点にある。設計の過程における建築家とクライアントの共同作業というイメージのみならず、竣工後の建築の姿のアウトプットにおいてクライアントがくわわるなど、これまでにない展示になっている。。設計、デザインというのは殆どの場合クライアントという絶対的な他者がいてはじめて成立する他律的な行為である。けして芸術家のように建築家の内面からの創造力だけで作られる訳ではない。時にクライアントの生活イメージが建築家の創造力を刺激する事もあるし、建築家の提案がクライアントの生活イメージを膨らませることもある。そうしたことを主に海外からの目を意識した展示になっている。

展示は、建築家のつくる「脚本」としての建築物の模型と、そこを舞台としたクライアントの解釈による「上演」としてのメディアワークからなっている。特に後半の部分は、生きられている建築をめざされた建築のその生きられた姿をどのように表現するのかという点で興味深い。とはいえ短い制作期間の中でブラッシュアップの余地も各建築家に共通してみられた。今後のトークなどので展示の意味をあらためて明確にしつつ、巡回も視野に入れた展開を期待している。

会期は7/13まで。
http://www.shibaurahouse.jp/event/3clients3architects
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by shinichi-log | 2013-07-01 20:56 | daily | Comments(0)
デザインの土俵
ハウスメーカー、建材メーカーの有志があつまって隔月で行なわれている勉強会に参加する。ようはまったくの土俵が違う方々なのだが、町家の改修ワークショップの事例を昨今のDIYやものづくりの流れと関連づけてお話させていただく。こういう場所でもばしっと決めれる話しの展開をもっと考えないと行けない。この勉強会もともとは企業の枠を越えて各社の製品のデザインについて話し合う場とのことだが、ソーシャル化という流れをどう自分たちなりに解釈していけるのかということが最近のトピックになっているとのこと。とはいえ、デザインしたい人間にとってそれはつらいでしょ、というのが正直のところのようだが、なぜ作るのかが問えないとデザインしていてもどこかむなしさがつきまとうのではないか。ただそれはお互いうまくやればよくて、誰かが意味を見つけ出し、それをカタチにする人と組む。その時に最後人を感動させられるのはデザインの力だと思う。実に凡庸な結論。
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by shinichi-log | 2013-06-28 22:55 | daily | Comments(0)
人間のかぎりない凡庸さ
濱口竜介監督の「なみのおと」をみる。昭和の津波を体験したおばあさんから、20代の姉妹まで6組によるそれぞれの震災、津波の体験の語りを軸にしたドキュメンタリー映画だ。語り手を正面から捉えるカメラワークが印象的であるものの、驚くべき事はその内容がある種とても凡庸であることだ。被災という壮絶な体験の個別性を越えて浮かび上がる、人間のその凡庸さをむしろ描き出そうとしているかのようだ。もちろん個別的なエピソードは衝撃的だったり、物語性に富んでいるのだが、そうしたものの先に語られる真理や教訓、考察は退屈だったり当たり前だったり、クリシェだったりする。それは、ドキュメンタリーとしてその人の表面だけしか写し取れていない、内面の深い葛藤を映し出す事に失敗しているという事なのかもしれないが、実のところそんなものがあるという事自体が幻想、もしくは見る側の勝手な妄想なのかもしれない。

でも、それでいいんだよ、というのはそれはそれで救いなのかもしれない。すべらない話しをたえず求められる社会のつらさというのもある。

http://www.hamaguchix3.com/
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by shinichi-log | 2013-06-27 23:51 | daily | Comments(0)
さかきとしっしーの結婚パーティ
先日は、榊くんとしっしーの結婚パーティーでした。2次会はradlab.で。
朝からまるで親戚の結婚式のような心持ち。なんだかそわそわわした一日でした。
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(この写真のみ撮影は河本さんです。)
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5年前に榊くんを誘ってRADを始め、彼がこうして京都ですばらしいパートナーと結ばれ、本当に嬉しく思っています。1次会には100名以上の方々が参加してくださっていましたが、いかに多くの人に支えられながらのこれまでだったかを改めて感じ、当人でもないですが感謝でいっぱいでした。

さかきくん、しっしー本当におめでとう!!
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by shinichi-log | 2013-06-25 20:37 | daily | Comments(0)



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