中沢新一レクチャー
いろいろ書かなくてはいけない事がたまってきているのだけれど、先ほど終わった造形大での中沢新一のレクチャーについて、興奮冷めやらぬまま書いておきたい。

タイトルは「芸術人類学について」というもので、氏が提唱されている芸術人類学が根本コンセプトが語られた。ので詳細は同名の著書を読んでいたければいいと思う(今から本屋に行って買いたい)。会場は今回のレクチャーシリーズ中最も人の入りが多くまさかの入場制限も。まさに老若男女入り交じる中おこなわれた。

芸術人類学とは何か?それは芸術を人類学的に読み替えるというような、西欧を相対化しようという試みではなく、「芸術(宗教)」というものを人類の根本原理として、現在の学問、認識を組み替えていこうというものといえる。

私たちホモサピエンスをそれ以外の人類(もしくは生命)と分離するのは、言葉によるコミュニケーションでは無く、比喩による芸術や宗教の誕生にあるとする。
通常、カオスの状態にあるものを論理的に検証し、もしくは還元的に思考し、概念として整理していくのが人類の歴史、もしくは特性として考えられてきたが、実はそうではなく全く異なったものを同時に捉える、もしくは関係づけるということこそ人類の本質であるという転回に芸術人類学の核がある。つまり、今までどんどん純粋な概念に物事の本質を見いだそうとしてきた、そういうのでは無く色々な物事をその全体として捉えるように出来た事によってこそ、ホモサピエンスが誕生したことになる。

感動的だったのは最後の質問の時に、一神教と偶像崇拝の話が出た時に、内的な発現というものの可能性として「自由」という要素が抜きだされるとそれは、何ものからも逃れているという意味で「抽象」という思考になるという。つまり、原始美術にも見られるように古代の人類は「抽象」を知っていたことになり、ということは我々は20世紀になるまで「抽象」という表現を忘れていた事になり、その間の何らかの抑圧が存在していたと考えられるというふうになる。これは、結構すごい事で、このように思考をする事で、世界の認識ががらっと変わってしまう可能性を持つ。世界を変えるのは何も実際のモノではなく、思考による認識の変化にもよっているのだから。だからこそ、このような思考のダイナミズムを味わえることは極上のエンターテイメントに比する。

もしかしたらニューアカブームをつくり出した根本にあったのも、このようなダイナミックでエキサイティングなエンターテイメントだったのかもしれない。
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by shinichi-log | 2008-11-18 20:30 | Lecture log | Comments(0)
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