土曜日はIKEAに行きそびれ、夜法然院でライブとインスタレーションのイベントにいく。
どことなく青じんでいる夕闇の中、法然院の緑は昼間見るのとは違う不思議な濃い色をたたえており、時間とともに木々の存在感が消えていき深い影が作り出すコントラストの中、淡い光の像へと変化していく。 お茶席と、映像インスタレーションと、灯道家のあかりと、お花・・・と音楽と言うふうに環境自体が一種の演出として作り出されていて、非常に気持ちのいい空間がつくられており、ライブ中もお茶席はつづけられ、参加者も縁側で庭を眺めながら、廊下の欄干に腰掛けたり、自由に寛いで自分の楽しみ方が出来る場所が出来ていた。 日曜日は、家族のつてで神戸にあるヴォーリス設計の某大学を見学。 講堂まえの有名なトップライトの廊下はもちろんのこと、奥にある礼拝堂の光の見せ方や、校舎ごとに異なる細かい意匠や、山はだの起伏が反映下であろうレベル差のある通路や、中庭型の配置で隅部の廊下を90度ではなく45度のおり曲げる事で視線の連続性と、アイストップにアーチ窓越しの緑が見えるなど、豊かな意匠性と空間が広がる。 絵に描いたような学校。作り足した校舎も比較的うまく溶け込んでいて、気にならない。 昨日は、三条でポニョをみる。ここに来ての宮崎監督の自由な想像力におどろいた。宮崎作品ではもっとも素直な恋愛映画なんじゃないだろうか。今や時に津波を引き起こしてまでのポニョの純真な想いこそ、生きていく上で必要なんだろう。と同時にポニョの周りにいて見守ってくれる人々の存在がとても重要に思えた。 少し思ったのは、車で疾走するシーンなどまるでカリオストロのルパンのようだったこと。ナウシカからポニョへ、万人への献身的な愛情と個人的な感情(怒りや破壊)の葛藤が生み出す美しさから、相反する感情や性質が共存しうるという魅力への変化。 押井さんがコンピュータを駆使した絵の精度をもって限界を超えようとするのに対し、宮崎さんは純粋にアニメーションがもつ想像力の可能性を追求(爆発)させることでまた新しい世界を作り出してくれた。それは古典的な考えかもしれないけれど、だからこそ今の世の中の魅力たり得る事を十全に証明してみせてくれたように感じる。 観に行った映画館は今では珍しいシネコンでない東宝の映画館で、カーブを描く天井や、ホールのような客席のつくりなど、いわゆる「映画館」の魅力満載で楽しかったりもした。
by shinichi-log
| 2008-09-02 15:58
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