今回は、フォスター事務所に勤めておられる井関武彦さんが講師で、グローバルな環境にあって、建築家はどのような視点で建築を実現させていくのかというお話がなされた。
簡単にまとめると、井関さんの話のなかで中心になる考え方はGeometryだ。幾何学を用いる事によって、巨大かつ世界中にちらばる建築をコントロールしていく。その時に重要になってくるのが、Environment,Culture,TecnologyとGeometryの関係になってくる。 細かい話は省くが、それぞれのタームにおいて、シンプルな幾何学を展開する事で、地域的、時間的、規模的な制約を克服していく。しかしシンプルである事は単調という事ではなく、そこからは無限の複雑性をも獲得できるというシンプルさである。 フォスターは、数々の案の中からいつももっとももシンプルな案を選択するらしい。それはそのシンプルな中にこそ、豊かな幾何学へと発展していく可能性が最も含まれているからだという。 驚いたのは、井関さんが述べられる様々な数字。まず事務所の所員が800人いるらしい。(そうなると個人事務所とはいえないのだけれど、事務所ではかならずdetailを自分たちで描くらしい。けしてメーカーや建設サイドにまかせない) そして、現在のプロジェクトの数が150。 建物に規模も桁違いで、北京空港はターミナルの全長が京都駅から御所あたりまである。完全に都市スケール。ロシアのタワーでは600mというのが実現可能になっているらしい、とか。 そん中何となく気になったのは、「建築は動かないから建築家が自身が動かないと行けない」という指摘と、「自分で作った形をコントロールする」という発言。 前者は、当たり前かもしれないけどITが発達した時代において、移動し続けないと行けないというのはかなり得意な職業であり、そのことが新しい職能を気付いていくのかもしれないと思ったからで、後者は自分で作っているにもかかわらず、半分他者性が入り込んでいるような作り方のあり方について言っているような気がしたから。コントロールしないといけないという事は、どこか自分外の要素が入ってくるという事だから。 今や、自分オリジナルのソフトウェアを作る事が、デザインの第一歩になろうとしている(AAなんかや、フォスターの事務所でもそうらしい)ということは、如何にして自分の形を制御し、他者性を含んだアルゴリズムによって、建築をコントロールしていくのかが重要になってくるのだろう。
by shinichi-log
| 2008-06-11 00:17
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