昨日は、西澤徹夫さんにお誘いいただき生瀬のオープンハウスへ。正確には西宮市だけど宝塚らしい厳しい傾斜の山手の住宅地。全面道路の傾斜を引き込むようなスロープ、それに呼応するような少し折れ曲がった躯体に、少し長めに突き出た軒という愛らしい佇まい。内部はRCに直接床板が載っているだけだったり、RCの立ち上がりが巾木になっているなど、モノの扱われ方を観察するのが楽しい。 建物自体はとてもコンパクトなので、この土木的なスロープが少し大袈裟なような気もしたが、裏側に広がる森が敷地であること、またスロープ下の半屋外空間の親密さを見ると、これくらいの存在感がちょうど良いのだと実感。また、周辺の住宅も敷地と道路のつなぎ目で土木的なつくりと建築的なスケールがせめぎあっていて、風景との連続性をこうした敷地との関係の中で作り出しているように感じた。 下地/仕上げ、土木/建築、地形/敷地、そして人/人以外の存在の間に通常引かれるスラッシュが丁寧に「チューニング」し直されているところが西澤さんらしいと、とも言えるのではないだろうか。 夜は今日で結婚1年ということで、妻と二人で念願のごだん宮ざわへ。丁寧に調理された料理と細やかな心遣いにとても楽しい時間を過ごすことができた。「美味しい」という感覚はかなりいい加減なもので場面や状況に応じて変化するものだが、「楽しい」は、食材の一つ一つ、それが盛られるお皿の一つ一つに込められているストーリーを感じ、それが連なっていく様を味わうことで生まれる。またそれは時間がとても上手に扱われていたはずで、それは「コントロール」するではなく「味方につける」なのだろうなといたく感服してしまった。 で「チューニング」っていうのも、いろいろな空間の要素を「コントロール」すると言うより、それらを「味方につける」ための仕込みのようなものなのかもと、強引に思考の回路をくっつけてみる。
by shinichi-log
| 2016-07-04 17:52
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