坂出人口土地
坂出人口土地を見てきた。
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坂出人口土地は香川県の坂出市の駅からすぐのところに建っている。
一階の街路に面したところに店舗を配し、背後には駐車場、そして2層以上(実際は一階の階高が2層分)に団地が計画されている。1968年竣工の一期から1986年の4期まで建設が続けられ、一部には市民ホールまで付属している。なぜ人口土地というかというと、住宅の載っている2層目がコンクリートの地盤になっているからで、その上にいわゆる団地が建ち並んでいる。人口土地というコンセプトは頭では理解できていたのだけれど、実際にどんな空間なのか、ほんとうに土地として感じることができるのか、ということが写真をみただけでは正直全然ピンと来ていなかった。
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さて、念願の人口土地に降り立ってみると(実際には登り切ると)やはりというか、そこを素直に土地として受け入れるには難しい。ただし非常によくできた立体的な屋上空間だと言われればすっきりする。屋上だけど車が停まっていたり、そこいらに花壇や木が植えてあるので、とても街的、路地的な空間が生まれている。しかものぺっと地盤が一枚あるだけかと思っていたら、部分的に2層になっていたり、傾斜があったり(市民ホールの斜めの屋根の上に段々上の住宅が立ち並んでいる)とかなり立体的な土地が想定されているようだ。また、大高さん設計の住棟も年代によってデザインが微妙に異なっており、どれも大変かっこいい。

現在では老朽化や、部屋の狭さ、お風呂がないなどの理由で空き室が目立つ。人口土地というコンセプトにはおそらく下部構造としての土地があり、上部構造としての住棟が更新されていくというイメージがあったのではないかと思われるが、現実にはそれも難しいようだ。もしかしたら人口土地以前に立ち並んでいた木造バラックのような建築であったなら更新も可能であったかもしれないが。

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とはいえ、老朽化は進んでいるものの、入り組んだ住戸の配置や、身体的なスケール感は大変魅力的であるし、ずっと住み続けている住人による様々な増改築のつくりだす雰囲気は、建物を生き生きとさせている。そして坂出人口土地はある時代の理念が結実した貴重な証言でもある。すでにdocomomo100選にも選ばれ、また市でも活用の動きを探っているようなので、丁寧な利用と保存を期待したい。

あまり期待していなかった市民ホール(当然、大高さんの設計なのだろうと思われる)だが、これがよかった。壁面は重厚感のある木パネルで覆われ、天井は頂部に向かって細やかな木のルーバーが用いられており、大変美しい。

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by shinichi-log | 2015-08-21 19:34 | daily | Comments(0)
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