upcycling - つくりかけとしてのマスプロダクト -
KITのデザインラボ主催のとあるレクチャーのテーマ「UPCYCLING」だった。英語のwikipediaによると"the process of converting waste materials or useless products into new materials or products of better quality or for better environmental value"とあって、より価値の高いものへと作り替えていく行為のことをさすらしい。ブリコラージュ的な思考をベースにしてつくられたデザイン用語なのだろうか。

紹介されていたのは、カンパーナ兄弟のチープなマテリアルを使った家具のシリーズだったりする。ローテックで既存の価値を転換するようなことが推奨されるわけだが、一方でこのローテックがはいることでカンパーナ兄弟の家具はとても高価なものに変換される(もちろんそれだけの理由によって価格が決められているわけではないが)。製造においてローテック=手仕事がかならずしも安価で優れていると言えなくなったのが近代以降のマスプロダクションの世界だと考えると、ここで紹介されているUPCYSLINGの意義はデザイナーによるプロダクトの制作手法ではなく、よりユーザーにとっての技術であると考えた方がよさそうである。
そう考えると、質問として、ローテックなものづくりがマスプロダクションの世界で生き残れるのかというものがあったが、これへの答えはそもそもマスプロダクションとこのローテックなものづくりを同列に扱ってはいけないということになるだろうか。つまりマスプロダクションのあふれる世界の中で、使い手が自らの使用価値をそれにたいして見いだしながら独自にカスタマイズしていくことが重要で、手仕事産業を動向という話しとは少し違う。

マスプロダクションが第2の自然のように身の回りに反乱しているからこそ、それを素材として日常生活の中で個々人がクリエイションをおこなっていく。マスプロダクトを単なる完成品ではなく、カスタマイズ可能な標準モデル、つくりかけの状態としてみなしてこそ、そこにたいしてのUPCYCLINGなアプローチがますます重要になるのではないだろうか。
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by shinichi-log | 2014-12-10 18:23 | Comments(0)
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