住宅特集で今年の吉岡賞一次審査の結果が掲載されていたが、それが結構おもしろい。二次審査選考候補は、以下5名。能作文徳さん「STEEL HOUSE」、藤村龍至さん「家の家」、成瀬・猪熊「LT城西」、403architecturedajiba「富塚の天井」、そして堀尾浩さん「当麻の家」。
まさか403の「富塚の天井」が、というところだけど、はてさてこの天井メインの改修物件がどのような歴史をつくっていくのだろうか。審査の中でも作品としての「強さ」が足りないという指摘がされているが、それでも選ばれているのは「富塚の天井」だけではなく、その背後に見え隠れする浜松でのマテリアルをキーワードとした彼らの活動の総体が無視できないということか。もちろん吉岡賞は、すぐれた住宅作品に与えられる賞なので、そうした広域的なネットワークが評価の対象になるのか難しいところではあるだろうが、「新しい人びと」の登上が指摘されるのであれば、そのような住宅をなりたたせる都市との関わり方全体が問われることを期待したい。ちょうど8月号の新建築で連くんが「ここでいう「住居」とは「住宅」のみを指すわけではなく、都市に暮らすためのあらゆる「手段」と考えたい」と述べているように、住宅を空間性の問題からひとまず開放することが現代のボザール病から抜け出せるひとつの方途ではないだろうか。 その他にも、能作さんと藤村さんという対照的なアプローチをとる塚本研OBの比較や、シェアという現在的な生き方とそこにどのような新しい批評性が開けているのか、にたいしての比較的オーソドックスな密度の高い小住宅がどう対抗軸を引けるかなど、結果の発表が待ち通しい今年の吉岡賞である。
by shinichi-log
| 2014-08-21 16:36
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