人間のかぎりない凡庸さ
濱口竜介監督の「なみのおと」をみる。昭和の津波を体験したおばあさんから、20代の姉妹まで6組によるそれぞれの震災、津波の体験の語りを軸にしたドキュメンタリー映画だ。語り手を正面から捉えるカメラワークが印象的であるものの、驚くべき事はその内容がある種とても凡庸であることだ。被災という壮絶な体験の個別性を越えて浮かび上がる、人間のその凡庸さをむしろ描き出そうとしているかのようだ。もちろん個別的なエピソードは衝撃的だったり、物語性に富んでいるのだが、そうしたものの先に語られる真理や教訓、考察は退屈だったり当たり前だったり、クリシェだったりする。それは、ドキュメンタリーとしてその人の表面だけしか写し取れていない、内面の深い葛藤を映し出す事に失敗しているという事なのかもしれないが、実のところそんなものがあるという事自体が幻想、もしくは見る側の勝手な妄想なのかもしれない。

でも、それでいいんだよ、というのはそれはそれで救いなのかもしれない。すべらない話しをたえず求められる社会のつらさというのもある。

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by shinichi-log | 2013-06-27 23:51 | daily | Comments(0)
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