地域経済学について話を聞く
QC3では、タウンアーキテクトをテーマに「地域」と「建築家」について考えようとしているのだけれど、そもそも「地域」という言葉のさす対象が曖昧で、実りある議論を始めようにも議論が噛み合ない。そこで現在は、「地域」というものがどのようなスケールの広がりを意味しているのかを中心に色々な人にインタビューに行っている。その成果はそのうちwebにアップできると思う。今日もその一環で、京都大学で地域経済学を研究されている岡田知弘先生からお話を伺いにいく。突然のお願いにもかかわらず非常に親切に対応していただき、レジメ付きのインタビューはさながら個人レクチャーのようでもあった。

個人的に非常に興味深かったのは、「生活」という言葉が出てきた事だった。経済と言えば資本や産業などが重要な主体として考えられているように思うが、先生は「産業」とともに「生活」を併せて考える必要性を訴えられていた。なぜか。産業というのは非常に縦割りの考え方で、農業、林業、建設業などなどが変化したかが個別に分析されるけれど、「生活」(地域)で考える事で、様々な各要素の繋がりを俯瞰的にみていく事が大切だと言う。また、経済活動には「階層性」があり、レベルとスケール毎にその場で働いているルールが異なっているので、グローバルなレベルでの動き方、国家レベルでの動き方、都道府県レベルでの動き方、市町村レベルでの動き方、コミュニティ単位の動き方とみていかないと、目の前におこっている事は見えてこない。資本の集中は国レベルで見ると東京一局集中だけれど、件レベルでみても県庁所在地へ集中していたりする。だから市町村合併によってそれまであった自治体のハブが移るとそれに伴って地域の人口流出が加速する。

あと、いかにして地域の中でお金を回していくのかをしないと、いくら公共投資をしてもほとんどお金は地元に落ちず、東京に戻っていってしまうらしい。特に行政の規模が大きくなると、巨大なプロジェクトをやりたがる傾向があるけれど、それでは地方にお金の循環は生まれない。むしろ小さな規模でいいから、地元の業者や企業からどれだけ調達できるのかに重きを置くべきなのだ。驚くべき事に京都だと東山区が独自に使えるお金は100万円程度らしい。あとはすべて中央(市)が権限を持っていて、このお金は区の中でなかなか回らない。しきめ細やかな問題に対処できない。これではいけないということだ。など、色々ときりがないのだけれどともかく、先生の統計的なデータを用いることで、階層を横断するかたちで何故その問題が起きているのかを調べつつも、フィールドワークなども積極的に行い、現場でどのような取り組みがうまくいっているを実際にみることで、再びそれはなぜかを俯瞰的に読み解いていく、それぞれの階層にあった介入は非常に学ぶべき所は多いと思う。

このインタビューの内容もwebにアップする予定。たぶん、ここに書いた僕の文章より実際の話は100倍面白いと思う。

(追記)地域産業と生活について
地域経済の【再生産】を支えるのは、地域産業である。単に資本が投下されればよい訳ではない。(資本「投下」まさに爆弾のように投下された後には大きな花火があがるが、後には破壊された街しか残らない。)そして地域に産業がある事で、住民の生活が成り立ち、その事が、生活、景観、環境の再生産にも繋がっていく。そのような地域内の再投資力の質と量を高めていく事が、地域のあり方を左右する。という事です。そのためには(ある強いリーダーのもと)ただがむしゃらにやればよいのではなく、きちんとした処方箋が必要。

その他、今日はDiplomaに行って、インタビューとSocialKitchenで榊君と打ち合せ+京都会館どうするか話を須川さんとする。しっしーの謎が少しずつあきらかになる。
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by shinichi-log | 2011-02-27 00:51 | daily | Comments(0)
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